2021.6月号vol.62

治療を繰り返し歯を失うデススパイラル

歯は何回も治療できないことをご存知でしょうか?

一度治療を受けた歯は、数年後には再びむし歯になることが多く、繰り返しむし歯を削る治療を受けることになります。

このように数回のむし歯治療を繰り返すことで、やがて歯を失ってしまい、この過程を示したのが上イラストの「デススパイラル」と言います。

保険適用のむし歯治療を受けた歯は、平均5~6年で再びむし歯となり、再びむし歯の治療を受けるというデータがあります。

一方、当院で導入しているセレック治療を受けた歯は、17年後にも90%以上の歯の生存が認められているというデータがあります。

再治療までの期間が長くなることで、人生100年時代の現代において自分の歯で健康的に過ごすことができる可能性が高まります。

自分の歯がしっかり保たれることで生活習慣病や認知症などのリスク軽減になり、全身の健康維持にも繋がります。

当院では、むし歯が繰り返されることがないように、治療後には定期的なお口のメンテナンスによってむし歯の原因となる細菌を取り除くほか、治療ではむし歯の再発リスク軽減に繋がるセレック治療を推奨しています。

副院長 尾崎槙一

2021.6月号vol.62

治療を繰り返さない歯を守る治療

セレック治療は、むし歯の再発リスクを抑えるだけでなく歯を支える『歯の根』を守ることにも繋がるセラミック素材で歯の修復をする治療です。

大きなむし歯治療では、むし歯菌に感染してしまった部分を削り取り、歯の根にファイバーポストと呼ばれる「柱」を立てます。

次に、その『柱』をしっかり固定するために『柱』の周りに、レジンコアという素材の『土台』を盛り付けていき、最後にセラミック素材の被せ物を装着(接着)します。

この『柱(ファイバーポスト)』と『土台(レジンコア)』は、セラミックの審美性を高めるだけではなく、歯の根を守る役割も持っています。

本来の歯と似た素材であるため、物を噛んだときなどに歯に負荷がかかったときは、わずかにしなることで、歯の根へのダメージを緩和する働きがあります。

歯の根を守ることは、歯の寿命を守ることに直接関係するため、とても重要な役割です。

また、セラミックが割れてしまうことを心配される方も多くいらっしゃいますが、これも、割れることで過度な衝撃が、そのまま歯の根に伝わるのを防止する役割を持っています。

副院長 尾崎槙一

2021.6月号vol.62

歯科技工所の変革

最近は、新型コロナウイルスワクチン担当大臣として、テレビなどにも出演されることが多い自由民主党の河野太郎大臣ですが、内閣府特命担当大臣(行政刷新担当)としての立場もあります。

現在、河野大臣が進める改革の一つに歯科技工界が取り上げられています。

改革の中心となっているのは、一つの歯科技工所内に複数の歯科技工所が入る歯科技工所の共同利用の概念です。

一言で歯科技工所といっても、その専門性は分かれており、保険の銀歯、審美性の高いセラミック、入れ歯など、技工所によって担当する技工が分かれています。

この改革が成立することで、専門性の高いそれぞれの歯科技工所が一つのフロアに集まり働くことができるため、より質の高い歯科技工がスピーディーに行われることになります。

当院でも導入している先進医療CAD/CAMシステムが普及し患者様のお口の情報が模型ではなくデータとして管理・製作することが可能になってきたことで、歯科技工士のリモートワークなど、その働き方は大きく変わってくる可能性があります。

歯科医療において、歯科技工士は大切なパートナーであるため、歯科技工所の在り方、歯科技工士の働く環境がより良くなる改革を期待したいと思います。

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